ああブログ

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ネット歴自分語りするンゴ その① 厨房編

「厨房」というのは、「死ね」をわざわざ「氏ね」と置き換えるノリで

「中坊」という言葉を置き換えた、要するに精神年齢が中学生の人間を

あげつらうネットスラングである。多分。

その0

 

中学生の時、はじめてパソコンが我が家にやってきたのだが

しばらくはごく普通の、さしてネタにもならない

ありがちな付き合い方をしていたと思う。

具体的には、とりあえずマインスーパーとかソリティアをやってみる。

でもGBAとかPS2とか普通のゲームの方が面白いことに気付き飽きる。

そのうち、「おもしろフラッシュ倉庫」なる

尋常ではなく面白いサイトがあることを風のうわさで知り、

ドラえもんの絵描き歌などで爆笑する・・・そんな調子。

そんなネットとの付き合い方が一変したのは、忘れもしない

「三国板」というサイトに出会ってからだ。

 

「三国板」というのは、ゲーム「三国無双」の話題専用の、

2ちゃんねるのシステムを模したような掲示板である。

ちなみに私は、2ちゃんねるは中学生の時は全然見ていなかった。

正確には、「壺の画面」から先に進む方法が分からなかったのだ。

唯一覚えているのは、テレビが選挙の話題一色になっていて退屈していた時に

なんとなく2ちゃんねるを見ていたらうまい具合に「壺の先」に入れて、

共産党に投票したったwww」みたいなスレを見つけて

ゲラゲラ笑っていたことである。

13歳か14歳のあの頃、なぜか「共産党」という単語は

耳にするだけで笑いのツボをくすぐってきたし、

共産党に投票した」なんていうのは今風に言うなら

パワーワード」そのものであった。

 

話を三国板に戻すが、私は「三国無双」のゲームはもちろん

小説や漫画の「三国志」も大好きだった。

自分にとって、三国板は「Yahoo Japan」や「キッズYahoo」の

ような誰でも知っているサイトや

あるいは「おもしろフラッシュ倉庫」のような

人に教えてもらったサイトとは違って、

正真正銘、自力で見つけた初めての「面白いサイト」だった。

 

かくして私は三国板を心行くまで楽しんだ・・・という話にはならない。

当時の自分は、まさしく「厨房」だったのである。

この三国板というサイトで私が興じたこと、

それは「荒らし」だった。

 

先ほど「共産党」というワードの話をしたが、

当時中学生の自分の笑いの閾値は相当低く

かつ謎のラインにあったように思う。

ひとつの単語が妙にツボに入り、その言葉を延々と

頭の中でリピートさせて面白さに浸る…ということがよくあった。

三国板にはまっていた当時、

自分の中で大ブームを巻き起こしていた単語がある。

ベン・ジョンソン」である。

私は、三国板に林立するスレたち、武将や軍師について語るスレ、

しりとりスレ、ゲーム攻略スレ、真面目な議論スレ・・・

それら全てに片っ端からたったひとこと

ベン・ジョンソン」と書き込む、

というあまりにもしょうもない方法で

三国板をところ狭しと暴れまわった。

なぜ普通に掲示板で雑談を楽しめなかったのか?

厨房だったからと言うほかない。

 

しかし楽しい時間は長くは続かなかった。

3日もせずにアク禁を食らった。

残念でもないし当然、荒らしらしい最期といえる。

 

アク禁、つまりアクセス禁止、

新しめ?の言葉で言うなら「BAN」を食らうと

新しい掲示板を立てることも、書きこむこともできなくなった。

途端に三国板は、つまらないサイトになってしまった。

しかし、かといって他のサイトを見るのも今さら気が進まない。

さいわい、スレを見ることだけはできたので、色々見てるうちに

三国志好きでチャットするスレ」なるものを見つけた。

要するに、三国板とはまた別のチャットサイトで喋りましょう、

というスレである。

三国板への書き込みを禁じられた私にとっては僥倖であった。

早速チャットに乗り込み、懲りないもので、

私はまたもや「荒らし」をした。 

チャットで取った荒らし方は「流し」というもので、

スペースだけの空白の発言を大量生産して

これまでの会話ログをスクロールの下の方に追いやったり、

リアルタイムで行われている会話を妨害する・・・

という具合だった。

 

繰り返しになるが、私はまさしく「厨房」だった。

いらんことをするのが大好きな子供だった。

今この時代、ちょっとツイッターでやらかしたら

簡単に炎上してしまう時代に

中学生を生きていなくて良かったとしみじみ思う。

 

しかしそんなことを繰り返していたある日、

頭空っぽの厨房でもふと気付いてしまったのだ。

荒らしは楽しいけど楽しくないことに。

何も生み出さない行為であることに。

 

そして心機一転、私は荒らしとしての自分を捨て

一人の三国志ファンとしてチャットに参加することを決意する。

 

その② 冷麺編に続く。

 (1916文字)