ああブログ

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映画「キングダム」の感想

はじめて平日の朝イチで映画見たけどすごい快適だった。

というわけで早起きして見に行ったキングダムの感想。

 

今手元を確認したら漫画「キングダム」は42巻まで集めていた。

~40巻ぐらいまでは過去最大に盛り上がった話が

展開していたこともあり、

発売を楽しみにしていたのだが

少し話がだれてきたので集めるのは小休止中。

とはいえ自分は間違いなく「原作ファン」に分類される人間だし、

実写化もどうしても否定的というか

「ここは原作はこうなのに・・・」みたいに

感じてしまいがちであろうことは前置きしておきたい。

 

で、実際どうだったかというと

ある1点を除けば、悪くないんじゃないか?と思えるものだった。

ストーリーラインは、色々制約がある中で

うまいこと要点をかいつまんでいたと思う。

チャンバラシーンは正直あまり重視していないので

迫力があったとかなかったとかは分からない(笑)

役者だと、政の演技は良かったと思う。

楊端和も良かった。

王騎は、もうなんていうか

大沢たかお!!!!!!!!!!!!!!!」

って感じで笑ってしまったのだが

まあ(面白いし)許せる範囲かなと。

見に行く前に一番「これはやばいのでは?」と

危惧していたのは河了貂だった。

原作を読み返してみると、初登場時の河了貂

間違っても小学生ぐらいの年齢、

それも1桁もあり得るぐらいだと思っていたので

それをすっかり少女ではなく

「女性」感の強くなった橋本環奈さんが演じるのは

どうなんだろう・・・?と思っていたのだが

これに関しては、今回のストーリーではまだあまり

河了貂にスポットを当てていなかったので、

あまり目立っていなかったかなと思う。

河了貂自体は、のちのち飛信隊に合流するときの

姿がこれだと言われた方が自然ではあったが。

 

 

では、何が不満だったか。

ある重要人物について言及していないので

勘のいい方はもう気付いているかもしれない。

そう、他でもない主人公「信」である。

 

この映画の信は、ひとことでいえば

徹頭徹尾、イキっていたガキであった。

確かに信は育ちも悪いし、貴賎問わずメンチを切って

生意気なことを言う子供ではあるのだが

それにしてもその部分があまりにも強調されすぎて

信が持つ裏表のない純粋さとか、子供らしさとか、

そういう良い部分が全く出ていなかった。

おまけにその一方で河了貂と同じように危惧していた

「見た目と年齢のギャップ」問題が信に関しては

クリアできていなかったように思う。

政は年齢より老けて見えるキャラなので成立していたが

信は見た目は青年、頭脳は子供…というバランスの悪さが

どうも無視できないレベルだったかなと。

さらにもう一つ付け加えるなら、

演出なのか役者の個性なのか分からないが

信の演技は「見え方」とか台詞の「聞こえ方」を

変に意識しすぎているように感じられた。

一例を挙げれば笑うシーンなど、子供らしく

無邪気に笑っていいと思うのに

なんとなく子供らしくない、大人の計算を

感じさせるものだったという印象。

その点河了貂はうまいこと子供らしく屈託のない、

時にはブス(!)に見えるような表情の豊かさを

見せてくれたように思うのだが。

いかんせん信に関しては、

「原作の子供らしさ」「役者の年齢」「演技の見せ方」

これらの要素がどうもちぐはぐで、好きになれなかった。

あとこれはもはや「いちゃもん」レベルかもしれないが

信の声はもっと通る声であってほしかった。

号泣するシーンなどはがなってもいいのだが

大勢に語りかけるシーンでは、

のちに将となる素質を見せる意味でも

透き通った良く通る声が聞きたかった。

およそ2時間、がなり声ばかり聞かされた気がする。

こんなんで将軍になれるのだろうか?

人心を集めることができるのだろうか?

映画の最後の方はそんなことばかり考えていた。

 

もしキングダムの映画に続編があるとしたら、

おそらく信と王騎の物語になるのだろう。

すなわち、このあまり好きになれなかった信と

大沢たかおさん(笑)の物語だ。

原作では屈指の胸にくるストーリー部分なのだが

自分は多分このキャスティングでは感動できないんだろうなと。

次見に行くにしても感動させてもらいに行くのではなく

ネタを見て笑わせてもらうか、ぐらいの気持ちで

見に行くことになりそう。

 

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