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THE YELLOW MONKEY「LOVE LOVE SHOW」

「LOVE LOVE SHOW」は、THE YELLOW MONKEY

12枚目のシングル曲。

7thアルバム「PUNCH DRUNKARD」ほか収録。

吉井和哉、愛についてかく語りき。そんな曲。

 

この曲の魅力、それはなんといっても歌詞だろう。

吉井和哉ならではの視点で「愛」について語るフレーズ達は

ユーモラスでありながらどこか核心を突いている。

これについてはしっかり引用して記しておきたい。

「愛とはあなたのため」だとか言ったら

疑われるけど がんばっちゃうもんね

「愛とは自分のため」だとか言ったら

嫌がられるけど それもあるんだよね

「愛には形がないよ」とか言うけど

触れられなければ淋しいもんだよね

 

…ところで、この曲には2パターンのアレンジが存在している。

シングルverと、BPMを上げエレキギターを前面に押し出した

アレンジを施したアルバムverだ。

自分は基本的にアルバムを聴く人間なので、

まずアルバムverを耳にし、

その後Youtubeか何かでシングルverを耳にした時には

「なんだかもっさりしてるなあ」という印象を受けてしまった。

ところが、最近再度シングルverを聴いてるうちに

また考え方が変わってきた。

そもそもシングルverも、アルバムverほどではないにしろ

イエモンの全楽曲の中でもそれなりに

上位に来るほどにはBPMは速めだ。

なぜ「もっさりしている」という印象になったのだろう?

ということを考えた結果、AメロBメロの主旋律の譜割が

主な原因ではないかと気付いた。

AメロBメロは、とにかく1音1音が長い。

ほとんどの音符が少なくとも4分音符以上の長さがある。

なので、必然的にゆっくりと喋ってるような歌になるので

それを「もっさりしている」と感じたのだろう。

じゃあなぜ、ゆっくり喋るかのようなメロディーラインにしたのか?

推測だが、そもそもこの曲は本来「歌い上げる」という

タイプの楽曲として作ったのではないか?と思うのだ。

冒頭で挙げた歌詞のフレーズなどはまさに

この曲の骨子にしてフックとなっている部分だし、

しっかり歌詞や言葉が届くように、という意図で

この曲は作られたように感じられる。

イエモンのテーマの一つは「歌謡ロック」というものだが

まさに歌謡曲のテイストを主張する楽曲というわけだ。

そういう風に考えると、シングルverの落ち着いたアレンジも

これはこれで悪くないな、と思えるようになったのである。

 

とはいえ、やはり「歌謡ロック」の

「ロック」の部分の力もまた偉大なもので、

テンポの速いアルバムverも非常に魅力的だ。

ライブでもおそらく一貫してアルバムverでの演奏が

されていると思われる。

(ライブを意識したアレンジとも言えるので当然かもしれないが)

今はもう消えてしまったが、むかし

Youtube吉井和哉ソロ時代に

ロックインフェスか何かでこの

「LOVE LOVE SHOW」をやる動画が上がっていた。

うろ覚えだがおそらく背景としては

ソロになってイエモン時代の曲は長らく

封印していた矢先の、突然の解禁だったので

ものすごい盛り上がりになっていたことを覚えている。

もう何年も前に見た動画なので全ては思い出せないが

客の歌声(主に女声)がかなり大きかったことと、

久しぶりに歌ったからか吉井和哉も歌詞を間違えて

「出来ない約束は出来ない」という歌詞を

「知らない歌詞は知りません」とかなんとか

適当にアドリブで歌っていたことは良く覚えている。

そんなことを未だに鮮明に覚えているあたり、

昔の自分にとってもこの曲のアルバムverは強烈な体験だったし、

ものすごいパワーをもった曲なんだなあということを

改めて思わされるのである。

 

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